ERPは「Enterprise Resource Planning」の省略形で,「企業全体の経営資源を総合的に計画管理し,経営の効率化を図るための手法・概念」を意味しています。実際には,このような概念を実現するパッケージソフトウェアをERPと呼んでいます。
ERPはMRP(所要量計画)の発展形で,受注から出荷までのサプライチェーンと管理会計,人事管理を含めた最新のIT技術を活用した統合情報システムです。
典型的なERPパッケージには以下のものがあります。
SAP : 最大のERPパッケージ
BaaN : 製造に強いERPパッケージ
Oracle Application : 分散型パッケージ
PeopleSoft : 新しいテクノロジーを使ったパッケージ
ERPには従来の業務パッケージにはない特徴があります。
クライアント・サーバー・ベースの統合パッケージであること。
データの一元管理およびリアルタイムが前提とされていること。
ビジネス・モデルがあること。
パラメータ設定により,機能の取捨選択ができること等です。
ERPを導入する企業のほぼ100%が,業務の効率化を目指しています。
具体的には,在庫水準の低減,生産プロセスの合理化,受注のリアルタイム化等です。ERPの標準機能や統合機能を使ってERP導入と同時にリエンジニアリングを実施するアプローチがパッケージをベースとしたリエンジニアリングの方法論です。
リエンジニアリングは,理論的には全社的業務設計(グランド・ビジネスプロセス・デザイン)が先行し,業務設計に合わせて情報システムの設計が行われるべきです。しかしながら,ERPによるリエンジニアリングでは選定したERPの特性を無視できず,ERPとの折り合いを図りながら業務革新を進めていくことになります。
全社的システムの入れ替えと,リエンジニアリング同時に行うのですから,トップマネジメントの強いコミットメントが必要になります。
ERPは,データの共有化,プロセスの標準化,技術進歩については効果を発揮すると思われます。他方,業務の効率化や情報システムコストの削減は,ERPを導入したからといって自動的に達成できるものではありません。
特にERPでやってはいけないことは,現行業務を自動化しようとすることです。ERPを現行業務に合わせようとすると,カスタマイズが多量に発生し,コストアップの最大の要因となります。更に,このようなやり方では業務の効率化は達成できません。
ERPは基幹システムのテクノロジー・プラットホーム移行です。このような大掛りなプラットホームの移行にはトップマネジメントの支持が不可欠です。
ERPは機能が絡み合っている上,説明資料も十分でないため,ERPのしくみそのものを理解するのに時間がかかります。更にバージョン・アップが頻繁にあり,バグも多く,マニュアルどおりに動かないことも多々あります。
ERPのコンサルタントも,需要の多さからセミナーを受けただけで役に立たない自称コンサルタントが多く,コンサルタントのコストもかかりがちです。
ERPは,基本的には欧米のビジネスモデルに基づいています。それゆえ,このビジネスモデル合わないプロセスは合わせ難くなります。木目細かいシステムに慣れた大企業のユーザーにとって,ERPは嫌われるシステムになりがちです。一般的に,日本では一人一人が多機能的に仕事をしており,単一機能を想定しているERPモデルと一致しない点があるようです。
ERPは統合システムですが,大企業の全業務に導入するのは,かなりの困難が伴ないます。とりわけ,物流と他のモジュールの関連が密接なため,導入のタイミングが難しくなります。
ERPは,最近ではすべての業務をカバーするのではなく,いくつかの他パッケージを組み合わせるようになってきているようです。
ERP |
SCM |
会計パッケージ |
Blank |
知識ベースへ戻る |