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経営戦略論

経営戦略論として,経営者や経営コンサルタントが常識として理解している戦略理論についてまとめてみます。まとめは,「The Best Ideas of the Top Management Thinkers」をベースにしています。このようなまとめに,叡智(Best Ideas)を見出すことは困難ですが,自身の思索との差異を見出し,経営に対する洞察力を深める一助としていただければ幸いです。

成長率・市場占有率マトリクス

概略

成長率と市場占有率のマトリクスにより4つに区切られた領域を,おのおの 「花形(Stars)」,「金のなる木(Cash Cows)」,「負け犬(Dogs)」,「問題児(Question Mark)」と名づけた。単純明快で洗練された図式とともに現在でも名前があがる。事業単位がどのグループに当てはまるかを考えるだけで,資金の配分といった戦略の決定のガイドラインとなる。
「花形(Stars)」事業は,高成長市場で大きな市場占有率を享受する。伸ばすには資金が必要だが,多額の見返りを期待できる。
「金のなる木(Cash Cows)」事業は,大きな市場占有率をもち利益も大きいが,成長率は低いので,この事業からの資金は,他の事業や研究開発に廻す。
「負け犬(Dogs)」事業は,低成長市場で市場占有率も低いので,売却や清算を考える。
「問題児(Question Mark)」は文字通り問題児で,成長率は高いが,市場占有率は低いので,注意をしていなくてはならない事業である。

課題

市場を正しく把握するためのフレームワークが提供されていないため,市場分析ができない。一体,成長する市場とか,市場占有率は算定できるものなのだろうか?
成長率・市場占有率だけはキャッシュフローの投下と回収は規定しきれない。単純化のし過ぎであり,今日のキャッシュフロー経営論議と同様の理論的弱さを持っている。

競争の戦略

概略

競争戦略は,競争要因を理解し,競争上優位に立てるための合理的な戦略を立案し,その戦略を実行する業務プロセスを構築することである。

@ 自社をめぐる競争要因を理解する。

    競争要因は以下の5つである。(図解される)
    1 新規参入者に対する脅威
    2 顧客(Buyer)の交渉力
    3 供給業者(Supplier)の交渉力
    4 代替品の圧力
    5 業界内の敵対関係

    このうち「1 新規参入者に対する脅威」を阻止する要因として,
    規模の経済や乗換えコストといった7つ程の項目を提示している。
    又,他の競争要因についても分析をする。
    これらの分析は,非常に論理的。

A 競走優位を達成できる合理的な戦略をたてる。

    競争優位を達成できる論理的な基本的な戦略は3つしかない。
    1 コストリーダーシップ
    2 差異化
    3 集中

B 戦略に基づき,業務プロセスを分析・設計する。

    競争優位の源泉は,以下のようなプロセス(例示)の連鎖から生み出される。
    主要プロセス
    1 購買・物流
    2 製造
    3 出荷物流
    4 マーケティングと販売
    5 サービス
    副次プロセス
    1 調達
    2 技術開発
    3 人的資源開発
    4 事業インフラ(マネジメント・財務・システム等)

課題

ポーターの戦略論は,フレームワークがしっかりしており,他の経営書の実践論と比較して経済学的とでもいえるようなアプローチをとっている。

しかし,ポーター流の戦略計画と実際の戦略とは同じではなく,戦略計画過程であるブレークダウンの思想には組織のダイナミクスが反映されない嫌いがある。戦略には,むしろ直感と創造性が必要とされる。このような視点と,社会の変化によって,競争そのもののルールを変えるという新しい戦略がでてきた。

コアコンピタンス

概略

未来の争奪戦は市場占有率や競争をめぐる争いではなく,市場そのものをつくる力にある。この力は,顧客に便益を提供することを可能とする技能と技術の集合体であるである。よって,
 1 顧客の便益
 2 顧客便益を提供する能力
 3 顧客との接点
といったコアコンピタンス(中核能力)に焦点をあてることが重要である。
現在提供している製品やサービスを考えるのではなく,それらが顧客にもたらす便益を問うべきなのである。顧客の必要とする機能に着目することで,現在の市場から,未来の市場と新しいビジネスモデルの道が開ける。

課題

一番乗りはいつでも得をするとはかぎらない。多くの企業で2番手が勝っている。ビジョンのある経営者は賞賛を得るかもしれないが,実際に稼ぐのは地味な努力家である。コアコンピタンスは,あたりまえの話であり,しかも成功事例のいくつかのモデルの一部に過ぎない。

ナンバーワン企業

概略

ナンバーワン企業になるには,顧客に価値を届ける以下の3つの方法のうち,どれかひとつをものにする必要がある。
  1業務の卓越性
  2製品リーダーシップ
  3顧客との親密さ

1 業務の卓越性
品質,価格,利便性を含む総合力において市場で最高の水準を保っている企業。革新的な製品やサービスを生み出しているわけでもなく,顧客との1対1の親密な関係を育んでいるわけでもない。業務の実行力に優れ,低価格や円滑なサービス,またはその両方によって顧客をつかんでいる。
成功要因は,定型(フォーミュラ)

2 製品リーダーシップ
未知の製品,試したことのないような製品,または極めて望ましい製品を提供する努力を続けている。実務に携わる者は,顧客により広い範囲の製品やサービスを提供することに専念する。最良の製品と納期を提供することで顧客を掴む。
成功要因は,緊張感。

3 顧客との親密さ
顧客との間によい隣人のような関係を築く。市場のニーズではなく特定の顧客のニーズに応える。顧客自身とそのニーズの対する理解をもとに事業を行い,製品やサービスの調整を継続的に,しかも納得のいく価格で行う。最適なトータルプラン,ニーズのすべての対応で顧客を囲い込む。カスタマーロイヤリティーが最大の資産。
成功要因は,ソリューション。

課題

競争することが重要か?他の戦略はないのか?
この法則は万能か?

最後に

経営戦略論に終わりはありません・・・・・・・・


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