顧客満足は,どの企業もいうが,単に満足しただけの顧客は,競争相手が値引きしただけでそちらへいってしまう。
製品/サービスに満足している顧客のうち,「次回も買う」とする顧客は70%であり,30%の顧客は離反する可能性がある。
顧客満足は,必要条件であるが,それだけで十分ではなく,自社の製品/サービスのファンをつくらなければならない。顧客ロイヤルティとは,自社の製品/サービスのファン自社の製品/サービスのファンとなって,継続的に自社製品を買ってくれるような「生涯顧客」の特性である。
顧客満足という視点の問題点は,顧客満足と収益性との相関関係が十分でない点にある。
米国の大企業の90%は顧客満足の最大が企業収益に貢献と信じているが,実際に顧客満足が,収益に貢献したと考える企業は30%以下であり,顧客満足と収益性の向上の関係を測定できている企業は2%しかない。このように,顧客満足は,理論の道具としては曖昧である。そして,経営者が納得しない経営戦略は実効性に乏しい。
顧客ロイヤルティは,生涯顧客を増やすというより明確な戦略を導く。
そして,生涯顧客は,新規顧客より大きな収益をもたらすことを多くの事例が示している。
この理由は,常識的にも納得できる。
まず,新規顧客に対する初期投資を考えるなら,長期的な顧客は,2〜3回だけの顧客より多くの利益をもたらす。又,離反した顧客の行動を考えれば,離反を少なくすることの意味付けがわかる。
以下のような統計がある。
満足した顧客は,平均して他の5人に自らが受けたプラスの経験を語る。
不満足な顧客は,平均して他の9人に自らが受けたマイナスの経験を語る。
不満足な顧客のうち13%は,20人に,自らが被った不幸な経験を語る。
別の統計では,顧客の離反率の低下は,劇的に利益率をあげるという結果もある。顧客の満足度という定性的指標よりも,顧客離反率の方が明確かもしれない。
満足しても離反する顧客があり,これを分析する枠組みが必要である。
顧客を無限に増やし市場を独占するという戦略をとれない以上,顧客の選別を考えることになる。すなわち,コア顧客への集中と顧客ポートフォリオによる戦略である。
コア顧客
収益との関係で顧客セグメンテーションを分析すると,全顧客の一部が総収益の大多数を占めているような企業では,コア顧客に対しては,双方の提携関係を築き頻繁なコンタクトにより,双方の改善を目指し,生涯顧客として,顧客の維持を図るべきである。
満足顧客
ロイヤリティを示さないが,満足している顧客。低価格,トレンドによって変化する。
維持しつづけるのにコストがかかる。すなわち,満足しただけの顧客は,低価格によっていつでも競合会社へいく。離反率をコントロールする戦略が有効かもしれない。
離反者
不満をもち,競合他社にいってしまった顧客。
その他
その他にも,前顧客や非顧客に対する戦略が必要である。
顧客に対する戦略は,トップの理解と現場での対応が中心となる。社内にいる従業員も顧客であり,従業員が満足しない製品/サービスからは,顧客ロイヤリティは生まれないと思われる。世界一のブランド力をもっていると評されているコカコーラは,自社のブランドを説明するための従業員へのコミュニケーションを徹底している。
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