国際会計基準は会計ルールの世界統一を目指したものであり,日本の会計基準も,
この国際会計基準に沿った改定が順次行われています。
国際会計基準は,事実上の国際会計ルールのディファクト・スタンダードだったアメリカの会計基準がベースになっています。
その為,ビッグ4(米国系4大会計事務所)の公認会計士にとって国際会計基準はそれ程違和感はないはずです。USベースで財務諸表を作ってきたビッグ4の公認会計士は,国際会計基準にも詳しいと思われます。
国際会計基準委員会は,1973年に設立されましたが,当時の国際会計基準は,現状維持的で会計ルールも複数選択性であり,ひとつの方式への統一を意図したものではなかったため,日本の会計士もほとんど無視していました。
国際会計基準が力を持ち始めたのは,1987年のIOSCO(証券監督者国際機構)による支持の表明からです。SEC,ロンドン証券取引所,大蔵省証券局はじめ現実の証券監督の支持がグローバル時代の統一財務会計基準の必要性を認識したといえます。1989年に公表された
E32 「財務諸表の比較可能性」が,一つの事象について原則1つだけの会計処理を認めるという国際会計基準の方針となりました。
1999年には,国際会計基準のコアスタンダードの承認が行われました。
税法の確定決算主義は,日本の会計を歪めてきました。税法に独自の会計理論がないのであれば,税務計算は申告調整という道をとらない限り,各国の政策と世界標準との間の乖離は新しい会計ルールができる都度,問題となってしまうと思われます。特に最近では,退職給与引当金や貸倒引当金の見直しのように日本の国内でも,税法と会計の乖離が解決できにくくなってきているようです。
金融商品の時価評価は,商法の資本充実の論理との抵触が問題となります。
これら3つの法規間の不整合は迅速に解決されるはずです。(と期待します。)
国際会計基準の特徴は以下の3つに集約できます。
@時価会計
金融商品の時価評価
棚卸資産の低価法強制
退職金の年金数理計算
外貨建取引への期末レートの適用
A連結
キャッシュフロー計算書
B業績の適性表示
工事進行基準
異常項目の範囲の限定
税効果会計
時価会計への移行は,ストックからフローへの経営の変更を促進する可能性があります。資産の価値の増加をベースにした借入金による規模の経営から,資本利益率やキャッシュフローを重視した効率性の経営への移行です。
連結は法形態から経済実態を中心とした経営であり,既に大企業では連結を主とした経営が行われています。
キャッシュフロー計算書の導入は,キャッシュフロー経営への移行を促し,PL中心からキャッシュフローを考慮に入れた業績評価指標が沢山でてくると思われます。既に,米国では,EVA(=経済的付加価値)が,利益に代わる指標としてアニュアル・レポートでも重要視されています。
国際会計基準が海外で資金調達を行う場合の会計報告の基準となることで,企業は複数の会計基準で財務諸表を作成するコストを軽減できることにもなります。
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