簿記はけして難しくありません。経営者としての基本的知識として,自己あるいは会社内のどなたかに勉強してもらってマスターしましょう。
最低限,現金と預金の帳簿を付けて収入と支出がわかるようにしておきましょう。
領収書はファイルしておき,内容を簡単にメモ書きしておきます。
売上は,請求書を発行し,入金されるまでの間は売掛金(売上債権)として仮記録しておき,入金時に売掛金を消して出納帳に記録します。
(売上の簡便記録法として,売掛金を記帳せず,入金時点で売上とする方法もあります。請求書をファイルしておき,入金された請求書に「入金済」とスタンプを押し別ファイルで管理します。「入金済」スタンプが押されていない請求書が売掛金を表しています。)
仕入は請求書をもらい,買掛金(仕入債権)として仮記録しておき,支払時に買掛金を消して,出納帳に記録します。
(仕入も売上と同様な簡便法が使えます。)
市販の簡単な会計パーケージを利用しましょう。会計に限っていえば,記帳には会計パッケージが一番便利です。
ただし,会計パッケージの総勘定元帳は概観性に欠けるので,日々発生する経費等はエクセル等でつけ,週単位や月単位で会計パッケージへの仕訳をまとめて合計額で入力した方がわかりやすいかも知れません。
現金出納帳には,手元現金の出し入れを記帳します。請求書や領収書に基づいて出金を記帳します。
請求書や領収書に年月日,相手先の名称,取引内容,金額があることを確認しましょう。
定期的に,現金出納帳の残高と金庫の現金が一致していることをチェックしましょう。
現金出納帳は,横に費用項目(勘定科目)を並べて,多桁式にしておくと,上述したように合計仕訳入力がしやすくなります。
費用清算書(Expense Report)のような制度にして,従業員に一時的に負担してもらったもの経費をまとめて精算し,合計仕訳入力してもいいし,ロータスノーツ等で支払依頼書から支払まで管理し,まとめたものを合計仕訳入力してもいいでしょう。
小切手は線引(小切手の角に斜めに2本線を入れBankと記入)にしておきます。
定期的に,銀行通帳や当座勘定照合表と預金出納帳を照合します。(小切手を使ったりすると,相手方が未だ引き落としていないと残高が一致しないことがあります。)
現金で支払うものと銀行口座勘定から支払うものとを区別ます。
あなたが,個人で事業をされているのなら,経費は費用清算書(Expense
Report)に領収書を添付して,定期的に銀行口座から出金して記帳しましょう。
あなたが,何人かの従業員をかかえて仕事をされているなら,小口現金を持ち,経費発生の都度その小口現金から支払い,定期的に銀行口座から小口現金を補充して同時に記帳しましょう。
このように,煩雑な現金支払は,合計仕訳が最も効率的です。
経理は,価値を生まない仕事です。出来るだけ簡単にできるしくみを編み出しましょう。
伝票会計は,入金伝票,出金伝票,振替伝票を使って経理を行なう方法です。
すべての取引を伝票に記入していくという伝票会計システムは,コンピュータがなかった時代の前世紀の遺物です。
出来るだけ市販の会計パッケージを使うようにして,領収書や請求書のような「原始証憑ファイル」と「帳簿」だけにして経理業務を簡略化し,ペーパーを減らしましょう。
入金伝票は使わず,直接,会計パッケージに入力しましょう。(どうしても入金伝票が欲しい人は,会計パッケージが出してくれます。)
出金伝票は使わず,「支払依頼申請書」に内容を記述してもらい,現金出納帳を付け,その都度あるいは勘定科目別合計額をまとめて会計パッケージに入力しましょう。
振替伝票は使わず,会計パッケージに直接入力しましょう。
会計帳簿はすべて会計パッケージで作成できます。仕訳さえ,すべてパッケージに入力してしまえば,会計帳簿はパッケージが勝手につくってくれます。
小さな会社で大事なのは,請求書,領収書,預金通帳といった原始証憑です。これらを忘れないうちに日付順に番号を付けてファイルしておけば,最悪の場合,後からでも仕訳を再構築することが出来るでしょう。
そう,ベンチャー企業にとって,経理なんて大事な問題ではないのです。経理に時間を使ってはいけません。そのために,しくみに少しだけ頭とお金を使って下さい。
えっ「領収書をなくした」ですって・・・・・・
全然問題ありません。自腹で負担してください。
資本金1,000万以下の場合,年間400万円まではその80%が経費として認められます。
以下のようなパッケージは古くからあり,低価格で安定しています。
弥生会計
トップ勘定奉行
PCA会計
以下のようなアメリカ産の2大会計パッケージは,請求書,レポート作成機能等に優れており,SOHO向けかもしれません。ただし,現時点では,ファームバンキング機能は個人口座は無料ですが,法人口座は有料ですのでご注意下さい。
マネー(マイクロソフト)
クイッックブックス(インティット)
経理記帳は御自身でやることをお勧めします。(けして難しくはありません)
経営者としての基本的知識として,経理のしくみを一度は体で覚えましょう。
その上で,会計事務所に定期的にレビューしてもらいましょう。
ただし,会計事務所にすべての記帳を任せることも可能です。
(自分の仕事に集中するために,お金で経理業務を外部委託する選択もあります。)
税務申告は,会計事務所に頼んだ方が安心かつ効果的です。
税務実務をマスターすることは困難で,時間の無駄です。
(現在の日本の税法は複雑で,素人には難しすぎます。)
会計事務所に,自分の会社の節税ポイントを教えてもらい,重点管理しましょう。
以下,日々発生する消費税の知識をまとめておきます。
納税義務免除者
基準期間(前々事業年度)の課税売上高が3,000万円以下の者。ただし,1998年4月1日以後新設された資本金が1,000万円以上の法人は免除対象とならない。
株式会社は,最低資本金が1,000万円なので免除対象とならないことになります。
請求書等の保存
平成9年の消費税改正により,仕入税額控除には,帳簿および請求書等の両方を原則7年保存する必要があります。
一回の取引金額が3万円未満の場合は請求書等の保存は不要です。
請求書の記載項目は以下の通りです。
取引年月日
取引先名
取引内容
取引金額
取引金額が3万円未満で保存不要の場合は上記請求書記載項目を帳簿に記載します。
簡易課税
課税売上高2億円を超える法人は簡易課税方式(みなし仕入率を使って仕入にかかわる消費税額を計算する方法)を選択できません。
本則課税では,課税売上にかかる消費税額から課税仕入にかかわる消費税額等を控除して納付税額を計算します。
申告方法
前期の年間消費税額納付額が400万円超の場合は,年4回の申告が必要です。
48万超400万円以下の場合は年2回の申告が必要です。
48万円以下の場合は年1回の申告が必要です。
以上で,ベンチャーのための経理の説明は終わりです。
続いて,インターネットを見られているあなたのような人のために,ベンチャー企業の情報技術戦略を考えてみましょう。
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